トップ議会情報・議員の発言2013年第3回9月定例会 議員発言 >一般質問・中原ひろみ議員


2013年9月20日 本会議 一般質問 中原ひろみ議員

 ●憲法を暮らしに生かす自治体の役割発揮を
      ・集団的自衛権について
      ・消費税増税について
      ・生活保護費削減の影響について
      ・高校授業料無償化の所得制限について
      ・国民健康保険料の算定方式変更について
      ・市営店舗の使用料引き上げについて
 ●巨大開発から身近な公共事業に転換を
      ・広島駅南口広場の再整備について

      ・高速5号線について
      ・事務・事業の見直しについて
      ・保育行政について
      ・地域交通について

 ●滞納整理は生活再建を図る立場で解決を
 ●いじめ防止対策推進法について
 ●生徒指導規程について
 ●新大州橋周辺の歩道整備について


●憲法を暮らしに生かす自治体の役割発揮を

(中原ひろみ議員)
安倍内閣は先の参議院選挙で「ねじれ」が解消したとして、消費税増税・原発再稼働・TPP推進・生保支給額の削減を皮切りにした社会保障制度の手当たり次第の改悪、集団的自衛権など、平和と暮らしを脅かす動きを強めており、国民とのねじれは一段と激しいものにならざるを得ません。
憲法99条は「大臣・国会議員・公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負う」と憲法の順守義務をうたい、98条では、憲法に反することは認められないとしています。しかし、現実には、自治体も含めて憲法に反する状況が広がっています。
地方自治法第一条は「住民の福祉の向上に努める」と自治体の役割を明記しています。国の「国民いじめ」から、市民の暮らしと福祉を守る防波堤の役割を広島市に求める立場から質問します。


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(中原ひろみ議員)
・まず、集団的自衛権についてです。
自民党は改憲草案で憲法9条を変更し、自衛隊を「国防軍」にすることを掲げ、石破幹事長は「軍法会議で死刑もある」と発言し、麻生副総理は「ワイマール憲法を誰も気が付かない間に変えたナチスの手口を学んだらどうか」と発言。
安倍首相は、集団的自衛権行使の積極容認派として知られる人物を、長官に任命しました。内閣法制局長の首をすげ替えて、歴代政府の憲法解釈を変更し、集団的自衛権を行使することは、改憲のハードルを下げる96条改定と同様の「禁じ手」であり、憲法9条を骨抜きにする“改憲クーデター”ともいえる動きです。
安倍内閣が狙う集団的自衛権は「自衛」と名が付くものの、日本防衛とはまったく無関係です。
日本が攻撃されていないのに米国など密接な関係のある国への攻撃を理由に海外で武力行使するためのものであり、文字通り「地球の裏側」まで行って米国と共に戦争することを可能にする無謀な「解釈」です。憲法9条の「歯止め」を外す危険な解釈について市長の見解をお尋ねします。

市長は平和宣言で「ヒロシマは人類の進むべき道を示す地であり、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であるとし、威嚇によって国の安全は守れない、信頼と対話に基づく安全保障体制への転換を」世界に訴えられました。この平和宣言を現実政治に生かすうえでも、国に対し、集団的自衛権の行使は止めよというべきですが、いかがですか。

(市長)
 集団的自衛権の行使については、歴代の内閣において、「我が国を防衛するための必要最低限度の自衛権行使の範囲を超えることから、平和主義を掲げる現行憲法下では許されない」との解釈を維持されてきています。現在の平和な日本があるのは、こういった解釈を踏まえた外交政策が展開され、また、それを多くの国民が支持してきたからであると考えており、そのこと自体を重く受け止めるべきであると考えています。
 また、私は、今年の平和宣言において、現行憲法の平和主義を大切にする立場から「広島は、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であると同時に、人類の進むべき道を示す地でもあります。」と訴えているところです。
 したがって、国に対しては、今後とも、憲法99条に規定する憲法擁護の義務を負っているものとして、憲法全文において、日本国民が全力を挙げて、崇高な理想と目的を達することを誓っていることを踏まえた対応をするよう求める立場を維持していきたいと考えています。
 その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。


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(中原ひろみ議員)
次は市民の暮らしに大きな影響を与える五つの問題について伺います。
・まず、消費税増税についてです。
安倍総理は政府が選んだ専門家60人の聞き取りや、今年4月〜6月期の経済指標で来年4月の増税実施を決めるとしていますが、8%では8兆円、10%なら13.5兆円という史上空前の負担を国民に強いる増税の判断を、わずか3か月の指数だけで、しかも、国会の審議もつくさず、総理一人が決めることは無謀です。個人消費が伸びたといいますが、株価の上昇で儲けたお金持ちが高額な買い物をしたことによるものです。この一時的な要因による成長が今後も続く保障はありません。逆に、円安や原油価格高騰によるコスト上昇が家計に負担をしいています。事業者は止まらぬコスト高に悲鳴を上げている状況です。給料が増えず、暮らしの足元が良くなっていないもとでの増税は、行うべきではありません。増税による市民の新たな負担総額、夫婦と子ども2人、収入300万円の世帯の場合の負担額をお聞きします。

(財政局長)
 消費税率を10%とした場合の広島市域内で納税される消費税の増収見込み額は、国が示している全国ベースの増収額13兆5千億円を基に推計すると、年間約1,400憶円となります。
 次に、夫婦と子供二人、収入300万円の世帯の場合の消費税増税の影響額については、課税される支出額等の前提条件が特定できないため算定いたしかねますが、新聞報道によると、税率10%の場合、政府は8万2千円と試算しているようです。なお、この試算は、特定の国会議員が指定した条件に基づくものであるため政府は公表しない方針とされております。
 消費税法の一部改正法第1条に、消費税の引き上げは、「経済状況を好転させることを条件として行う」ときていされているところであり、国において、適切に判断・処理されることが市民の暮らしを守ることにつながるものと認識しております。


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(中原ひろみ議員)
・次は生活保護費についてです。8月から、3年間で最大10%にも達する保護費削減が実施されています。夫婦と子ども3人の多人数世帯では、一ケ月の平均生活扶助費が2万3454円も削減されます。保護費が減らされるもとでの増税で、保護世帯の暮しは一層厳しいものにならざるを得ません。生活保護世帯の世帯類型別の世帯数と割合をお聞きします。
社会保障の根幹である生保扶助費を削減することは、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」をうたう25条違反です。広島県内でも292人が減額撤回を求める審査請求をされています。
保護費削減のねらいは、自己責任を強調した、社会保障給付全体の抑制にあります。保護費削減はその手始めにすぎません。国が削減する保護費総額を教えてください。保護費引き下げで生保から外れた世帯数をお聞きします。

(健康福祉局長)
 平成25年8月の生活保護受給世帯数は19,631世帯で、内訳は、高齢者世帯が7212世帯で36.7%、母子世帯が1,923世帯で9.8%、障害者世帯が3,251世帯で16.6%、傷病者世帯が2,912世帯で14.8%、その他の世帯が4,333世帯で22.1%となっています。
 本年3月に開催された厚生労働省の会議で示された資料によると、生活扶助基準の見直しに伴う平成25年度8か月分の効果額は、期末一時扶助も含め、約220億円とされています。
 また、本市においては、生活保護基準改定に伴い、8月以降生活保護が停廃止となったのは、9月13日時点で26世帯です。


(中原ひろみ議員)
生活保護の基準が下がれば、非課税世帯の基準も連動して下がるため、これまでと収入は変わらなくても、突然、税の負担を求められたり、国保料や介護保険料の減免措置が受けられなくなる世帯が出ます。
6月議会では、生活保護基準額に連動する70事業への影響はさけると答弁されていますが、来年度以降も他事業に影響させない取組を継続されるのかお聞きします。

(健康福祉局長)
 平成25年8月の生活保護受給世帯数は19,631世帯で、内訳は、高齢者世帯が7212世帯で36.7%、母子世帯が1,923世帯で9.8%、障害者世帯が3,251世帯で16.6%、傷病者世帯が2,912世帯で14.8%、その他の世帯が4,333世帯で22.1%となっています。
 本年3月に開催された厚生労働省の会議で示された資料によると、生活扶助基準の見直しに伴う平成25年度8か月分の効果額は、期末一時扶助も含め、約220億円とされています。
 また、本市においては、生活保護基準改定に伴い、8月以降生活保護が停廃止となったのは、9月13日時点で26世帯です。
 今回の生活保護基準の引下げに伴う他制度への影響については、本市においては、国の対応方針を踏まえ、本年度は、その影響が他制度に及ばないようにする措置を行ったところです。来年度以降については、今後の国の動向等を踏まえ対応を検討したいと考えています。
 生活保護制度等の見直しについては、我が国の社会保障制度を将来に渡って維持するためにどのようにしていくかという国家的な観点に立ち、国及び地方公共団体で議論を重ねてきたところであり、それを経て、所要の法案が国会に提出される運びとなっているものと認識しています。
 今後、国会で十分議論されると思われますので、その推移を見守りたいと考えております。


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(中原ひろみ議員)
・次は、高校授業料無償化に910万円の所得制限を儲けることについてです。
所得制限の導入は「憲法26条の教育を受ける権利」をないがしろにするものだと考えますが、市長のご所見をお尋ねします。所得制限によって対象外となる子どもの数を教えてください。


(教育長)
 高校授業料無償化の見直しについては、文部科学省の試算によれば、所得制限を超える生徒の割合を、全体の約22%と想定しており、平成24年の市内の国・公立、私立高等学校の生徒数32,979人から推計すると、所得制限により対象外となる生徒数は約7,200人と試算されます。

(中原ひろみ議員)
 市民の暮らしを守る市長として、増税止めよ、最後のセーフティネットである生活保護制度の改悪、保護費削減を止めよ、全ての高校生の授業料無償化を国に求めるべきではありませんか。


(教育長)
 高校授業料無償化の所得制限については、秋の臨時国会に所要の法案が提出される運びとなっていることは承知していますが、憲法26条に反するような法律が成立することにはならないと考えております。
 今後、国会で十分議論されるものと思われますので、その審議を見守りたいと考えております。


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(中原ひろみ議員)
・国民健康保険料の算定方式の見直しについて
市は来年度から国民健康保険料の算定を所得方式に変更すると国保運営協議会で公表されました。新しい算定方式では、総所得からの控除は、基礎控除の33万円のみとなります。現在の市民税方式で控除されている扶養控除や障害者控除、寡婦控除はなくなります。その結果、賦課割合の変更と合わせると国保加入世帯の56%、9万世帯で国保料が引き上がります。
例えば、40歳代夫婦と子ども二人、収入300万円の世帯の場合、年間保険料が17万6593円も上がり37万8903円へと1.8倍に急増します。世帯にとって払うべき支出は国保料だけではありません。ひとり月、15040円、夫婦なら約3万円の国民年金保険料の支払いも必要です。これらの支払いだけでも、世帯負担は収入の22%にもなります。激変緩和措置を講じても毎年あがる保険料負担は、払い切れない滞納世帯を増やすだけだと思いますが、市はどのような認識ですか。

(健康福祉局長)
 このたびの変更は、市町村国保の保険料算定方式を全国で統一するという政令改正を受けて行うものであり、すでに全国の市町村保険者の99.8%が、この方式を採用し、国民健康保険事業の運営を行っています。
 この算定方式の変更によって、低所得者の方の保険負担が増えるケースが多く生じることから、本市では4年間にわたる激変緩和措置を講じたいと考えております。
 その上で、仮に保険料の支払いが難しいとの相談があれば、区役所窓口等で実情を詳しくお聞きし、国民年金保険料の免除制度や就学援助など他の支援制度を紹介するとともに、実情に応じたきめ細かな納付相談に努めてまいります。


(中原ひろみ議員)
いのちを守る国保が命を脅かすことのないよう、低所得者が恒常的に使える生活保護制度を基準にした市独自の減免制度を復活すべきではありませんか。現在の滞納世帯数と滞納額、差し押さえ件数をお聞きします。

(健康福祉局長)
 ご指摘の減免制度については、本市が独自に実施していたものですが、国民健康保険法に基づく減免制度は、本来、一時的に特別な事情が生じた方を救済する目的のために設けるものであり、恒常的な生活困窮者を対象とする本市独自の減免制度は、法の趣旨に沿わないものとなっていました。
 こうしたことから、平成17年度に低所得者を対象とする法定軽減制度の対象者の拡大や軽減割合の引き上げが行われるのを機に、法の趣旨に沿うよう、当該減免制度を廃止したものです。
 こうした経緯を踏まえ、本市としては、恒常的な低所得者の保険料負担軽減は、減免制度によって対処するのではなく、現在、国が打ち出している法定軽減制度における保険料の5割軽減及び2割軽減の対象者の拡大措置によって、的確に対応していくべきものと考えております。
 平成24年度の見込みですが、滞納世帯数は、38,412世帯、滞納額は、78億3,672万1千円、差押件数は、1,621件となっております。


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(中原ひろみ議員)
・市営店舗の使用料引き上げについて
 市は、管理する市営店舗の51店舗で、名義人が第三者に勝手に転貸する条例違反の是正に取り組まれています。転貸の是正は評価するものですが、使用料を来年4月から20%づつ3年ごとに見直して、近傍同種の家賃まで引き上げることには賛成できかねます。
まず、市営店舗の整備根拠・目的、現在の市営店舗の利用状況を教えて下さい。

(指導担当局長)
 市営店舗は、公共事業等により支障となる店舗の移転先や市営住宅入居者の利便施設として整備したもので、19地区に649店舗を設置しております。
 8月末現在の利用状況は、全体の77%に当たる501店舗が使用されております。

(中原ひろみ議員)
確かに安い金額の市営店舗ですが、各店舗の使用料額はその額に設定した理由があるはずです。立ち退きという市民の財産に大きな影響を与えた経緯があるからこそ低廉な使用料のまま30年、値上げしなかったのではないのですか。
据え置いてきた理由、値上げの理由をお聞きします。

(指導担当課長)
 市営店舗の使用料につきましては、広島市市営住宅棟条例に基づき、3つの事由のいずれかに該当する場合には、変更することができると規定しています。
 これまでに、市営店舗に「改良を施したとき」の事由に該当する126店舗について、使用料を引き上げています。
 他の「物価変動に伴い変更する必要があると認められるとき」と「近傍同種の店舗の使用料との均衡を図る必要があると認めるとき」に係る自由に関しましては、これまでの社会経済情勢からは変更事由に該当するものの、変更するまでには至らないと判断し、使用料の見直しを行わなかったものでございます。
 しかし、今回、全ての市営店舗を対象に実態調査を行ったところ、多くの店舗で転貸が行われていることが判明いたしました。また、これらの店舗については、近傍同種の店舗の使用料に比べ安価であったことが、転貸の主な要因であることも判明しました。
 このため、使用料を条例に規定する適正な額に改めるとともに、転貸を防止する必要があることから、今回、全ての市営店舗の使用料を見直すことにしたものでございます。


(中原ひろみ議員)
市は19カ所の市営店舗で説明会をされましたが、店主の皆さんから、「転貸しの是正は当然だが、使用料をあげるのはとばっちりだ」との声がありました。立地条件で各店舗の使用料は違いますが、最高額は横川高架下店舗で、現行16900円が4.3倍の73390円になります。この見直しで、市はいくら収入が増えるのか。増収額は市営店舗の維持費になるのですか。

(指導担当課長)
 現行の店舗使用料の収入は、現在入店している501戸で、平成24年度は約1億34大万円ですが、今回の見直しに伴い、平成26年度の収入は約1億5,300万円で、約1,900万円の増収となる見込みでございます。
 今回の増収を踏まえ、市営店舗の維持管理の充実に努めてまいりたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 各店舗の説明会で出された声を紹介します。
 横川高架下店舗では、「45年前の段原再開発で立ち退きとなり、街灯もない真っ暗な高架下で、ブロックと鉄板をひいたような場所から、みんなが努力して今日のような店舗へと横川地区の発展に貢献してきた。市は何もしてくれていない。そのような店舗の歴史を踏まえずに、現時点の近傍同種の家賃で使用料を単純に引き上げる事には納得いかない」
 松原店舗の店主も、「立ち退きにで、この市営店舗に移転した。市の事業に協力したのに家賃値上げは納得できない。値上げするなら「元の家を帰してくれ」と怒りの声もありました。
 霞住宅店舗では「四半世紀が経過し、施設は老朽化し、雨水が流れず蚊の発生など衛生上の問題もある。本来なら家賃を下げてもいいのに、上げるなんて理解できない」「使用料を上げるのなら店舗の環境整備に市が責任をもってほしい」と、語られました。
 基町ショッピングセンターでは、「団地内の閉ざされた場所の商売で儲けは限られている」「儲けを出すというよりは、団地の活性化に貢献できたらとの思いで商売を続けてきたが、値上げはシャッター通りを増やすだけだ、自治会の活性化の取組に水をさすのか」との意見もありました。
 「スタンド」経営の女将さんは、「不景気が続く中、アベノミクスの円安の影響で仕入れが高くなり商売人はきつい、4月には消費税、その上、使用料まで上がれば、店のメニューを値上げするしかない、これまで、使用料が安い分、安くできてきたのに、値上げすれば客が減る、どれだけ小さな商売人をいじめればいいのか」と話されました。
 使用料の引き上げは、経営を左右する大きな要因です。新たなシャッター通りをつくりかねません。まちづくりにも影響を与えると考えますが市は、どのような認識なのですか。

(指導担当課長)
 シャッター通りとなるような空き店舗の増加は、市営店舗を含む周辺の環境変化によるところが大きいと考えており、それへの対応については、現在取組を進めている基町住宅地区の活性化と、全庁的に検討を進めている住宅団地の活性化に係る取組みの一環として、対処すべき課題であると認識しております。
 こうした取組みをふまえ、使用料の引き上げが空き店舗の増加に伴うシャッター通りを誘発することがないよう、市営店舗を含む周辺のまちづくりに取り組んでまいります。


(中原ひろみ議員)
使用料の引き上げは決まったことだと説明されていますが、店舗使用者は一方的な値上げに納得されていません。市民の合意を図らず、市の方針だけを伝達すれば、値上げができるとお考えなのですか。市民の意見を聞き合意をとる姿勢が必要ではありませんか。

(指導担当課長)
 市営店舗の使用料につきましては、先程ご答弁しましたように、条例で一定の事由に該当すれば引き上げができるということになっています。条例で定められているという点において、基本的には市民の了解が得られているものと考えております。
 今回の引き上げは、公平で客観的なデータである不動産鑑定評価に基づき、条例に規定する「近傍同種の店舗の使用料との均衡上必要があると認めるとき」という事由に該当することから行うものでございます。
 しかし、使用料の引き上げは、市営店舗の現経営者に負担を課すことになることから、激変緩和措置を設けることとし、これまで丁寧な説明を行ってまいりました。
 今後も、引き続き、丁寧な説明に努めてまいります。


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(中原ひろみ議員)
●巨大開発から身近な公共事業に転換を
・まず、広島駅南口広場の再整備についてです。
先日、開催された地元説明会で、広島駅から中心部まで4分、電車とJRの接続に1.3分の時間が短縮できると、事業の効果を説明されましたが、住民からは、「JR利用者の時間が短縮しても、肝心の地元は電停の廃止や移設で不便になるだけだ」「地元が不便になることに多額の税金を投じるのは反対だ」と、電車の軌道変更に多くの異議が出されました。地元が合意どころか拒否している電車のルート変更について、もっと市民の意見を聴いて慎重に対応すべきだと考えますがいかがですか。

(道路交通局長)
 広島駅南口広場の再整備等の検討につきましては、現在、沿線住民の方々に、路面電車を駅前大橋ルートとする場合と現行ルートとする場合の比較をしっかり行っていただけるよう、それぞれのルート案を説明し、意見をお聴きしています。
 8月21日に開催した荒神地区における説明会に引き続き、9月下旬に3回に分けて、段原・的場地区において説明会を開催する予定でございます。
 今後、こうした説明会で出されたご意見については、交通事業者等と調整を図りながら、引き続き丁寧に対応してまいります



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(中原ひろみ議員)
・次は高速五号線です。
 安全検討委員会が報告書で5pの沈下予測をした、中山地区の施工方法について先日、地元のみに説明会が行われました。その内容は、トンネル坑口部直上の家屋を買い取り、地盤改良したのちに、NATM(ナトム)工法+パイプルーフ工法で掘削するというものです。お聞きしますが、
@ 中山地区の掘削工事を開始するにあたり必要な作業、その後つくられる構造物をお聞きします。移転・買い取りの対象となる家屋数と補償費はどのくらいですか。これらの費用は高速五号線の残事業費386億円以内に収まるのか伺います。

(道路交通局長)
 中山地区については、トンネル安全検討委員会において、道路の防災対策も含めて、地形条件を考慮した施工方法を検討すべきとの評価を受けています。こうしたことを踏まえ、高速道路公社において、具体的な施工方法を検討し、先月末に、関係地権者の方々に計画案の説明を行ったところでございます。
 今回説明のあった案では、トンネル上部の建物を移転させて、地表部の地盤を改良土に置き換え、その後にNATM工法によりトンネル掘削を行う計画になっています。
 また、トンネル上部の土地利用としては、現存のため池の復旧やトンネル電気室等の道路施設の設置、土砂災害対策施設の設置が示されております。
 移転対象となる家屋は12棟あり、関係地権者の方々の了解が得られれば、公社において建物調査を実施し、補償費を算定することになっております。
 これらの補償費や工事費などの事業費については、計画の決定に併せ、早急に精査を進めていく予定と聞いていますが、事業判断時に示した高速5号線の総事業費の枠の中で対応可能なものと考えています。


(中原ひろみ議員)
A 地盤改良で土を入れ換える面積、改良土は10トントラックの何台分ですか。

(道路交通局長)
 今回、公社が説明したトンネル上部の地盤改良につきましては、施工対象となり得る面積は約4千平方メートルになると聞いています。
 入れ替えの対象となる土量がどのくらいになるのかは、現地調査を実施しなければ把握できないことから、トラック台数についても、現時点では正確なお答えはできません。


(中原ひろみ議員)
B 「二葉山トンネル安全検討委員会」の報告では、中山坑口部は「地形的に土砂災害の可能性を考慮する必要がある」と結論付けているだけで具体的な工法は示していません。この工法はだれが、どうやって決定したのですか。地形に適した安全な工法であるとの検証はどのようにするのですか。

(道路交通局長)
 今回説明した計画案については、公社において、トンネル工学や地盤工学の専門家の意見も聴取した上で、地形に適した安全な工法案の1つとして取りまとめられたものです。
 今後、関係地権者の方々のご意見を伺いながら、公社において工法を決定することになっております。


(中原ひろみ議員)
C 今回示された工法の説明は中山地区の関係者だけに限定されたものでした。何故、対象者を限定するのですか。牛田地区も含めた工事全区域の住民に工法を説明し、合意を図ることが必要です。どのようにお考えですか。

(道路交通局長)
 今回の説明会は、公社において計画案がとりまとめられたことから開催されたものですが、対象者を限定したのは、県・市の事業判断時に、中山地区に限っては、「地権者を含む関係者との協議を踏まえ、工法を確定していく。」と示したことから、それを踏まえて行われたものです。


(中原ひろみ議員)
住民の終の棲家をうばい、大きな移転補償費をはらい、地盤改良までしてやらなくてはいけない事業なのか高速五号線の必要性が改めて問われます。


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(中原ひろみ議員)
・事務事業見直し
市長、貴方の政治姿勢は、市民生活を痛めつけ、浮かせたお金で都市整備ばかりではありませんか。「市民の目線で市政運営」を行う、「世界に誇れるまち」を目指すというが、財源不足を理由に進めていることは、市民の抗議の声を無視し、高齢者の公共施設利用料負担、重度心身障害者の療養援護金支給廃止、階段室型市営住宅エレベーター整備中止など、そして現在、留守家庭の有料化や、パスピーの縮小・廃止、乳幼児医療費の負担増など市民の大切な事業の改悪が検討されています。これら検討中の事務・事業の見直し内容はいつ公表し、どのように市民合意を図られるのか聞いておきます。

(財政局長)
 事務事業見直しのうち、これまで中間報告を行ったものの、見直し内容の確定に至っていないものについては、引き続き必要な検討を行っているところです。したがって、見直し内容が確定する段階に至れば、適宜、改めて市民の代表である議会にお示しし、十分なご議論をいただきたいと思っております。

(中原ひろみ議員)
先日の都市機能向上特別委員会では、アストラムラインの延伸に約700億円の事業費が必要と聞いて驚きました。市民生活を支えているささやかな事業を削減しながら、巨費を投じる事業が平然と検討される事に違和感を感じます。
高速五号線や広島駅周辺開発の各事業費をお聞きします。

(道路交通局長)
 高速5号線の事業費は、高速道路公社が施行する有料道路事業費と、本市が施工する温品二葉の里線の公共事業費を合わせて、約1,036億円と見込んでいます。
 次に、広島駅周辺開発の事業費ですが、現在事業中の南口Bブロック市街地再開発事業は約353憶円、Cブロック市街地再開発事業は約270億円、二葉の里土地区画整理事業は約52億円、広島駅自由通路等の整備は約181億円と見込んでいます。
 また、検討中の広島駅南口広場の再整備等については、現時点で路面電車を駅前大橋ルートとする場合は約135億円、路面電車を現行ルートとする場合は約80億円と見込んでいます。

(中原ひろみ議員)
「集中と選択」だと言って、都市再整備に予算を集中させ、市民が求める安心・安全な身近な事業を後回しにする松井市政に、市民の暮らしと未来は託せません。道州制を論じるまえに基礎自治体としてやるべきことがあります。
先日、ある公立保育園を視察しましたが、雷で揺れる、雨漏りはする、床がふくらみ、耐震性のない状況は素人の私でもわかりました。地震がくれば被害はまぬがれないでしょう。世界に誇る街には程遠いというべきです。子どもが安心・安全に過ごす施設整備に最優先で予算をつけるべきです。保育園の耐震診断・補強工事はいつされるのですか。お聞きします。

(こども未来局長)
 保育園の耐震化については、昨日の平木議員の質問にご答弁した通り、本市では、災害時に重要な役割を担う区役所庁舎や消防署、そして国庫補助金の補助率の嵩上げ措置が平成27年度末までと限られている学校の耐震化に予算を重点配分してきました。
 これまでの取組により、これらの施設の耐震化については、終息に向けて見通しが立ちつつあります。
 このため、まずは来年度、耐震診断を実施する方向で検討していきたいと考えています。

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(中原ひろみ議員)
・次に、ふくしま第二保育園の廃園、民間新園についてです。
 入園希望者790名、待機児372名がいる中で、都心から2キロに位置する利便性の高いふくしま第二保育園をなぜ廃園にするのか保護者は、納得されていません。今回の計画は、30年前の地域との約束といいますが、一部の有力者の声を地域の声とし、平成21,22年の利益誘導をもとめる要望書を受けてすすめられたものです。こうした道理のない廃園理由では、保護者の理解が得られないのは当然です。来年からの募集停止を凍結し、廃園について再考すべきではありませんか。

(こども未来局長)
ふくしま第二保育園を募集停止した上で閉園するとともに、旧食肉市場跡地に民間保育園を整備するという方針は、第一に、ふくしま第二保育園の開園当初から周辺住民に対する騒音問題があり、現在地で保育園を存続しないことについて地元との合意があること、第二に、厳しい財政状況の中で限られた財源を最大限有効に活用しながら、より一層保育サービスを充実するため、民間活力の積極的な活用を図るという考え方を踏まえて決定したものであり、この方針決定について、議員ご指摘のような事実はありません。
 また、ふくしま第二保育園の募集を停止し、閉園したとしても、旧食肉市場跡地に定員100人の保育園を新設することで、周辺地域の保育ニーズは充足できると考えています。
 ふくしま第二保育園の募集停止や閉園については、方針どおり進めることといたしますが、保護者の皆様に対しては、新設する民間保育園に転園する場合の引継ぎや、募集停止となるふくしま第二保育園の保育内容について、可能な限り充実した具体的な方策をお示しし、理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
・市議団は、安倍総理が待機所解消のモデルだと評価し、広島市も参考にするとしている横浜市の二つの株式会社立の認可保育園を見学しました。その実態を紹介します。
 横浜市は、1年間に74か所の認可保育所を建設していますが、急ピッチで進めた認可保育所の26% 142園が株式会社立保育所です。
 視察した保育園は鉄道高架下にありました。橋脚の間をぬって園舎と園庭がつくられ死角が多数あります。子どもの発達・成長に欠かせないお日様も奪われ、電車が頻繁に轟音をたてて園児の頭上を通る環境です。人が住まない場所に認可されていることにびっくりです。
 次はオフィス街の5階建ての商業ビルの保育園です。基準緩和によりこの園には園庭がありません。5分以内なら近くの公園を園庭の代替として認めるとしているため、観光地でもある「みなとみらい公園」が園庭です。不特定多数の人が利用する公園に子どもを置き去りにした事件も発生しました。
 後付けで非常階段が整備されていますが、子どもを本当に安全に避難させられるのか疑問が残りました。
 待機児解消を急ぐあまりの基準緩和で保育環境や、保育の質の低下を懸念せずにはおれません。
 改めて、公立保育園を残すことが、児童福祉法24条の保育の実施義務を果たすことになると痛感しました。今一度、公立保育園の民間移管の中止を求めておきます。


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(中原ひろみ議員)
・次は、地域交通についてです。
 現在、市内3カ所で乗合タクシーが走っていますが、どこも経営に苦労されています。山本地区の乗合タクシーは、民間事業者が乗合タクシーの車両の更新経費が捻出できない、運転手の高齢化などを理由に、今年3月に廃止しています。
 黄金山地区では乗合タクシーの利用者を増やすために、地元の社会福祉協議会が3日間の無料体験の取り組みを実施され、生活交通を維持する努力を続けられています。市は、昨年度に赤字半額補助として148万円の予算をつけましたが、国の補助事業に差し替えたため、市の予算の一部は不用となりました。
 地元の熱意で始まった地域交通が、事業者の経営力や利用客の減少による赤字拡大で、地域から消えていくことがないようにすべきです。
 国の事業補助だけでなく、市も独自に予算化し、国と市の両方の予算で乗合タクシーが継続できるように補助事業の見直しを図る考えはありませんか。
 市内には35か所の地区から地域交通の要望があると聞いていますが、南区では丹那地区はスーパーもなく毎日の買い物が不便だとの声があり、地域交通を求める声は大きくなっています。黄金山地区の方からも、丹那を通り、県病院やイオンに行くコースがほしいとの声があります。現在、黄金山乗合タクシーは一台が一日に二コースを8回、約50分かけて地区内を巡回しており、一台が宇品地域まで行くことは時間がかかりすぎて困難です。乗合タクシーを一台増便し、2台で丹那地区を通るようにすれば、利用者も増え、両地区の市民の生活を支えることができると考えます。地元にはバスを乗り入れてほしいとの要望もあるようですが、いずれの方法にしても早期に、丹那地区の生活交通が確保できるよう、市が地元に関わり実現のために努力されるように要望します。

(道路交通局長)
 本市では、公共交通サービスの行き届いていない地域において、乗合タクシーなど日常生活を支える移動手段を維持・確保していくことは重要な課題であると認識しております。
 現在、少子高齢化など社会経済情勢の変化を踏まえ、都市圏における公共交通体系づくりのあり方について検討を進めております。
 こうした検討の中で、乗合タクシーなどの生活交通について、その維持・確保を図るため、地域主体の取組だけでは賄えない赤字部分を本市としてどう支援していくことが望ましいか、検討を行っています。


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(中原ひろみ議員)
●滞納整理は生活再建を図る立場で解決を
 市は効率・公平を合言葉に特別滞納整理業務を強化していますが、市民から、「売掛金が、差し押さえられた」「レジの現金をもっていかれた」「預金がゼロになり生活できない」との訴えが増えています。これは、財産権や生存権を無視した横暴な滞納整理です。3月29日に鳥取地裁は、鳥取県が児童手当てを県税の滞納処分として差し押さえたことは違法との判決を出しました。この判決を受けて島根県は、県内の市町に預金債権差し押さえの実態調査を実施しています。この調査は、「預金口座の残高が数百円しかなく、他に差し押さえを解除できるほどの可処分所得がない苦しい経済状況の世帯への差し押さえは違法」との見解にもとづくものですが、広島市は島根県の見解をどう受け止めていますか。広島市でも市税等の差し押さえの実態調査が必要ではありませんか。

(財政局長)
 島根県が県内の市町村に対して行った実態調査は、県として市町村の取扱いの実態を十分に把握していなかったことが前提となって行われたものと考えられます。
 本市としては、滞納処分として生活資金と考えられる預貯金を差押える場合には、差押えによって生活に著しい窮迫を招くことがないよう、必要生活費等を残して差し押さえるという取り扱いをしており、こういった調査をすることで実態を把握する必要性は感じておりません。


(中原ひろみ議員)
 特別滞納整理課は、滞納整理の分納期間は2年と定め、どんな金額でも2年間で支払え」との方針ですが、これが滞納者の事情を無視した無理な分納約束になっているとの認識はないのか伺います。

(財政局長)
 本市では、地方税法第15条により、災害や疾病などの重大な事情が生じた場合に最大2年の徴収猶予が認められることを考慮して、この法定用件に満たない場合でも、分割納付を求める滞納者については、生活の窮迫等真にやむを得ない状況にある場合においては1年以内、担保の提供があれば2年以内での分割納付を認める取扱いとしております。
 したがって、2年以内に完納できない滞納者については、納期内納付者との公平性を確保するために、差押え等の滞納処分を行うことになりますが、生活の実態を丁寧にお伺いし、財産についても十分調査したうえで、滞納処分により生活を著しく窮迫させるおそれがあると認められるときなどには、滞納処分の執行を停止することとしており、滞納者の事情を無視した無理な分納計画を強いているものではないと認識しております。


(中原ひろみ議員)
 私達市議団は、「滞納は市民のSOS」だと捉えて、「おせっかい」を合言葉に生活再建型の滞納整理を進めている滋賀県野洲市に視察に行きました。
 野洲市は多重債務支援や生活困窮支援事業を使いながら、市民の総合的な相談窓口(ワンストップ・相談窓口の一元化)をもうけて、サラ金の過払い金を回収するなど、生活再建を図る多重債務者包括支援プロジェクトを実施しています。
 この事業は、税金、水道料、市営住宅料、保育料など、市役所に払うお金を滞納している市民に借金があることに気付いたら、市民生活相談課と担当課が連携し、弁護士などと協力し債務整理につなげ、困窮している市民の暮らしを建て直すというものです。
 戻った過払い金は、役所の都合を優先するのではなく、市民の命と暮らしを守るうえで、最優先で解決すべきものを全部局で協議し決定します。ある高齢者のケースでは、将来介護が受けられなくては困るだろうと、まず介護保険料の滞納に充て、市税の滞納は免除の処理をしたといいます。
 まさに、命を守る 市民が求めるサービスです。
 滞納されている方は、多重債務を抱えておられる事も多く、自殺につながるケースも少なくありません。払え払えと督促しても解決しないのは、職員の多くが痛感していることです。取り立て一本やりでなく、野洲市のように「滞納は市民のSOS」と捉え、税や国保などの関係部署が連携、協議して、困難を抱えた市民の生活再建を図りながら滞納整理もすすめる「しくみ」が必要だと考えますが、いかがですか。

(財政局長)
 生活困窮の問題を抱えた滞納者の滞納整理にあたっては、議員ご指摘のように生活再建が図れるようにするための配慮が重要になると考えます。
 本市においては、多重債務により生活困窮の問題を抱えた滞納者への対応として、滞納者が多重債務者と分かれば、消費生活センターへ誘導しております。また、多重債務の方には、消費生活センターで弁護士の紹介等を行う他、同センターにおいて、市税等の分納相談などを必要とする滞納者には収納対策部等に、セーフティネットの活用を必要とするものについては区生活課等に、それぞれ誘導するなど、必要な支援を行うことを通じて、生活再建が図れるような対応を行うこととしています。


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(中原ひろみ議員)
●いじめ防止法について
 6月21日に6党が共同提案で強行可決した「いじめ防止法」は、第4条では「児童等はいじめを行ってはならない」と「いじめ禁止」を法律で定め、「いじめを行った児童への懲戒」や「出席停止」など、徹底的な管理と厳罰化で取り締まる内容になっていますが、厳罰で「いじめ」は解決しませんし、子供も育ちません。
 法には、いじめがなぜ起こるのか、その原因はなにも書かれていませんが、「構造改革」により広がった、「貧困と格差」社会がその要因の一つです。
 競争原理が労働や社会の各分野に浸透し、人間的な連帯が弱まり、弱い立場の人々を攻撃する風潮が強まりました。弱肉強食の社会を正当化するため、競争に負ける方が悪いという「自己責任論」の考え方がひろがり、社会自体に「いじめ社会」とも言うべき傾向がつよまりました。子どもの「いじめ」の深刻化は、そうした社会の反映に他ならないと考えます。
 にもかかわらず、子どもと親にだけ「いじめ禁止」を法制化し、厳罰で子どもを脅すだけでは、「人格の完成を目指す」教育基本法の目的を達成できないと考えます。この「いじめ防止対策推進法」の制定により、今後、学校での指導が厳罰化に向かいそうで危惧していますが、市教育委員会は、どのようにお考えですか。

(教育長)
 この度の「いじめ防止対策推進法」には、「懲戒」や「出席停止」についての規定が盛り込まれておりますが、その適用にあたっては、いじめを行った児童生徒の状況を十分に理解し、きめ細かい教育的配慮のもとに行うことから、決して、児童生徒に対して、一方的に罰を与えるというものではありません。
 本市教育委員会としては、法律の制定を受け、これまで以上に各学校の教職員が、日頃から児童生徒の言葉に耳を傾け、思いや悩みを十分に理解し、個々の児童生徒の状況に応じて、きめ細かく対応してまいります。



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(中原ひろみ議員)
●「生徒指導規程」についてお聞きします。
 広島県内では県教委が一方的に各学校に「生徒指導規程」を強制し、教師の指導に従わない「指導不服従」の子ども、教師に暴言を言う子ども、服装の乱れ、忘れ物などの問題のある子は一日中「別室指導」を受ける、さらに、別室指導を嫌がる子どもは家に帰すなど、問題のある子を排除する教育が行われていると聞いています。問題のある子を排除すれば、クラスは落ち着き、目先の秩序は保たれ、教師にとってはとても便利という一面もあるようですが、それは、子どもを育てることを教師が放棄したということです。何よりも排除された子どもたちの心に深い傷を残します。憲法で保障されている子どもたちの「個人としての尊厳」を大切に育む教育こそ今、求められています。
○問題を抱える子どもへの対応として、本市の小・中学校でも「別室指導」を行うことがありますか。あるとすれば、どのような目的でどんな指導がされているのかお聞きします。
○「別室指導」は生徒を排除する指導につながると危惧しますが、教育委員会の認識を教えてください。
○問題を抱えた子どもにしつかり向き合い、悩みを共感しながら子どもを育てていく教師を増やすことが不可欠ですが、教育委員会としてどんな取組をされていますか。

(教育長)
 本市の学校においても、別室での指導を行う場合があり、担任や生徒指導主事、スクールカウンセラーが、暴力行為や喫煙等の問題行動を起こした生徒から、問題行動の動機や現在の思いを聴き取り、児童生徒が行為を反省し、自らの生き方や在り方を考えるよう指導を行っております。
 別室での指導は、児童生徒の心の安定を図り、自らが規範を守り行動するという自立性を育成する指導方法の一つであり、問題行動を起こした児童生徒の排除につながるようなものではありません。 
 問題を抱えた児童生徒の指導にあたっては、教職員が、児童生徒に寄り添い、心の内面をより深く理解する必要があると考えており、児童生徒理解に基づいた指導のあり方に重点をおいた研修の充実に努めてまいります。


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(中原ひろみ議員)
●新大州橋周辺の歩道整備について
 最後に要望しておきます。
 現在、広島高速2号線の大州インター周辺は、新大州橋架け替え工事と、新大州橋西詰交差点から府中町新地交差点までの車線切り替え工事が行われています。この事業により県道広島海田線のデルタ工業・マツダ沿いの80センチ程の狭い歩道の拡幅工事も行われています。 が、目の前まで整備しながら府中町部分の30mが拡幅されずに残ります。この狭い歩道は大州中学校の生徒が通学に毎日、使っています。安心して歩ける歩道がつながってこそ事業の効果が発揮できます。子どもたちの安全な通学を保障するためにも、県に対し、残された30mの拡幅を早期に実施するよう市からも働きかけていただくよう求めます。


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トップ議会情報・議員の発言2013年第3回9月定例会 議員発言 >一般質問・中原ひろみ議員
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