トップ議会情報・議員の発言 2012年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 決議案


2012年3月22日 本会議
「東日本大震災で発生したがれきの処理に関する決議案」趣旨説明 村上あつ子議員


 日本共産党の村上あつ子です。提案者を代表して、決議案第4号「東日本大震災で発生したがれきの処理に関する決議案」の趣旨説明をおこないます。

 被災地の復興と復旧にむけて大きな障害となっているのが、膨大ながれきの問題です。多くの国民が被災県のがれき処理を望んでいますが、ほとんど進んでいない状況にあります。最大の障害は、政府が放射性物質への対策を真剣に行っていないことにあります。
 私たちは、この問題は、まず責任所在を明らかにすること、がれきの中には放射性物質が含まれていることを明らかにする必要があると考えます。

 がれきの処理は、国と東電が責任を持って安全に処理すべきです。さらに、がれきとともに放射性物質が全国に拡散され、とりわけ内部被曝を懸念する声があります。
 この間、私どものところへもたくさんのメールやファックスが届いています。その中には、「がれきの広域処理について、政府や議員の方々があまりにも放射能に対して軽々しく考えていらっしゃることに驚き仰天してしまいました」と内部被曝を引き起こすがれきの広域処理に反対する声や、「いくら低線量のものでも高性能の焼却炉で処理すれば高レベルの放射性廃棄物となり、焼却灰は処理できないものになり、ごみ処分場を原発化させてしまう」との不安の声もあります。
 政府は、自治体に受け入れを要請する前に、まずは、このような国民の不安を真正面から受け止め、科学意的根拠を示して、国民の理解を得られるよう取り組むべきです。風評被害をなくすためにも重要です。

 また、がれきの受け入れをしないのは『非国民』的な風潮がつくられつつありますが、発生したがれき2300万トンのうち広域処理は400万トンで全体の17%です。岩手県では8割が埋め立て・リサイクルで県内処理される計画ですが、地域復興計画が決まらず、がれき処理が進んでいないと聞きます。
 現地で処理すれば、効率的で雇用や産業につながります。陸前高田市では、自力で処理しようとしたところ、政府は「門前払い」しました。
 全国の自治体が受け入れないことが「復興の壁」ではなく、「壁」をつくっているのは政府自らではありませんか。
 これらのことから、「受け入れありき」の決議案には賛同しかねます。

 以上申し上げて、 決議案を読み上げて趣旨説明とします。

(以下、決議案の朗読)

 決議案第4号、東日本大震災で発生したがれきの処理に関する決議案。

 東日本大震災により、膨大な災害がれきが発生した。災害がれきをできるだけ速やかに処理することは、被災地の復興にとって最重要課題であることは言うまでもない。そのために被災県以外の自治体も協力して「広域処理」を進めることが必要である。
 しかし、がれきの「広域処理」が進まない最大の原因は、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質が被災県以外の広範囲に拡散し、がれきに放射性物質が含まれていることにある。
 放射性物質に汚染された廃棄物の処理責任は、第一義的に東京電力と政府にある。自治体や住民が安全性や環境の面で様々な懸念を抱くのは当然であり、そうした声に政府が誠実に応える必要がある。
 そもそも放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウム濃度が1キログラムあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきたのである。
 ところが、政府は、従来の基準の80倍の8000ベクレルを、その十分な説明も根拠も示めさないまま、広域処理の基準にも転用している。この水準は国際的には低レベル放射性廃棄物として、厳格に管理されているものであり、この緩い基準をもって一般廃棄物と同じにはならないのは当然である。
 がれきの処理に当たって、焼却の際の排気によって放射性物質が拡散するのではないか、飛灰の処理をどうするのか、廃棄物や焼却灰の埋立処分場周辺の放射線量が高くなることや、雨水・地下水などで漏れ出さないかなどといった懸念や不安にきちんと応えなければならない。
 よって、がれきの処理に関しては、下記の事項に十分留意して行うよう、強く求める。

1. 政府に対して、廃棄物の放射能基準を見直し、原発事故によって汚染された廃棄物の処理・処分については、全国の自治体に割り振り、押し付けるだけのやり方を改め、まず、国の責任において、最終処分・管理・汚染拡大の防止、処理の各段階での放射線レベルの測定と結果の公開、安全確保のルールづくり、受け入れ自治体に対する財政面を含む全面支援を行うこと。

2. 広島市に対して、受け入れを表明する際には、国の上記にあげた基準と対策の抜本的な見直しを踏まえた上で、住民の納得と合意を得ること。
以上、決議する。平成24年3月22日、広島市議会。

 議員各位のご賛同をよろしくお願いします。

上に戻る


トップ議会情報・議員の発言2012年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 決議案
日本共産党広島市議会議員団
〒730-8586 広島市中区国泰寺町1−6−34 広島市役所議会棟内
電話 082-244-0844 FAX 082-244-1567 E-Mail
k-shigi@jcp-hiro-shigi.jp