トップ議会情報・議員の発言2008年第 2回 6月定例会 議員の発言 > 一般質問


2008年6月20日 本会議 皆川けいし議員の一般質問

公立保育園民営化について
  保護者の理解を得ないまま、なぜ民間移管の方針を決めたのか
  私立保育園について
  保育にかかる財源を今後どこから確保してゆくか
高速道路について
後期高齢者医療制度と国保について
食料・農業問題と広島市農業の再生について
  再質問:公立保育園の民営化について
  再質問:国保、高速道路公社への対応、3号線について


公立保育園民営化について

 広島市が、この5月多くの保護者の反対の声を押し切って、公立保育園を民間移管する方針を決めたことに対して、保護者の間で新たな怒りが広がっています。
 「なぜいま民間移管なのか」あらためていくつかの点で市長の見解をお伺いします。

公立保育園に子どもを預けている保護者の理解を得ないまま、なぜ民間移管の方針を決めたのか

 市がはじめて民間移管の考え方を明らかにしたのは、3年前「公の施設」への指定管理者制度導入が問題になったときです。4年毎に運営主体が変わる指定管理者制度は、保育園になじまないと言う理由で「民間移管」の方向が示されました。この時移管にあたって「3つの条件」が示されました。
1つは「広島市の保育園のあり方」を取りまとめる。
2つは職員の処遇、そして
3つ目が「保護者の理解を得ること」。
そして「条件の整ったところから順次移管していく」となっていました。この3つの条件の中で、とりわけ「保護者の理解を得ること」については、その後の議会答弁でも市は繰り返し「保護者の理解を得ることは大切だ」と述べてきています。

 ところが、この3年間市が保護者のところに出向いて、市の考えを説明し保護者の意見を聞いたことが、ただの1度でもありましたか。
 保護者の方からは、きちんとした説明を求める要望書を各園保護者会が提出しましたが、今日に至るまで、各保育園に出向いて説明をするということは行われていません。

 この間の経過について、ある保護者会の役員はこう述べています。
 「私たちはこれまで何度も担当課に足を運ぶなどして、方針が出された経過や、具体的な中身の説明を求めてきました。はじめ、広島市は『素案ができたら皆さんにまずお知らせします』と答えていましたが、あり方検討委員会が設置されたあたりから『民営化該当園の保護者に説明する』に変わりました。あり方検討委員会の設置も事前に説明や相談されることもなく、保護者委員をたった2名、その他の委員も含め市が選ぶという一方的な内容の手紙が配られました。

 この『あり方検討委員会』は、保育園のあり方について検討すると言うものではなく、市の方針にたいして意見を言うだけという、全く権限のない委員会でした。その後も『中間取りまとめ案』『意見集約』を配布しただけで、あり方検討委員会で何が議論されたのか保護者は殆ど知らされていません。『保護者の声を聞く会』の日程は園に掲示されただけ。『中間とりまとめ案の手紙を配るのだから同時に日程も個々の保護者に配ってほしい』と求めてからやっと個別に配布が行われるなど、保護者を当事者と考えているとは思えません。

 『聴く会』では、説明を求める意見や、民営化しないでほしいという意見ばかりが出され、『市民意見』によせられた意見も、ほとんどが広島市の案を否定していました。あり方検討委員会の最終会は9名中7名が出席。うち2名の委員が民間移管に同意できない態度を表明するなど、検討委員会の合意を得たとはとてもいえないものでした。それに加えて、15万以上の署名や86園の保護者会から撤回を求める要望書が出されています。こんな状態なのだから方針は再検討されるはずと市に尋ねると、担当課は『市民意見の数自体が大半と言えるものではないので、ほとんどの人が反対しているとはとらえていない』と言いました。

 保護者や市民が、意見をたくさん出せるような場を設けてほしいとずっと言ってきたのに、それをしなかったのは市です。『民営化された他の自治体のことを調べて知らせてほしい』といったときも、『調べてはいるが自治体間の情報のやりとりにあたるから明らかにできない』といわれました。こんな状態でどうして保護者が安心して『民営化してください』と言えるでしょうか」
と言うものです。
 こうした経過を見ると、この問題をめぐって市がとってきた態度には、いくつかの重大な問題点が浮び上がってきています。

 その第1は、公立保育園に子どもを預けている保護者を、市は利害関係にあたる当事者として認めていないのではないかという問題です。
 1997年改正された児童福祉法では、「保護者は入所申込書を提出して、特定の保育園を利用する契約の申込みをし、これに対して市町村は、保育に欠ける乳幼児であるかどうかの事実確認をした上で、その保育園で受け入れる能力がある限りは、市町村はこの利用契約の申込に応じなければならない」という「保育園利用契約制度」となり、この契約の内容として、保護者には「保育園の選択権」が認められる、と当時の厚生省の解説書でも述べられています。

 そうであるならば「広島市の保育園のあり方をどうするか」という問題は、市民や保護者一般の問題ではなく、公立1万2000人、私立9000人、合わせて2万1000人の保護者1人ひとりと市との契約関係、「保育園の選択権」に係る問題といわなければなりません。
 とりわけ、今回のように公立保育園89園のどこもが民営化の対象となっており、保育園における保育環境に大きな変化を生じる可能性があるわけですから、契約の当事者である市は、民営化の方針を決定する前に、最低限「保育園の選択権」を持つすべての保護者に対して、十分な説明及び納得を得て行わなければならなかったはずです。

 広島市がこれまでとってきた態度は、こうした法の趣旨に照らしても、契約関係の当事者である保護者に対して、最低限の義務を果たしてこなかったと言わなければなりません。
 そのうえ「市の方針に反対する親や会議には保育園を使わせない」と市の担当者が言ったといいますが、もし事実とすれば本末転倒です。市長も、このような傲慢な態度をよしと考えておられるのか。市長の見解をお伺いします。
 これまで市が保護者にとってきた態度は、まさに児童福祉法違反だといわなければなりません。

 そこでおたずねしますが、
@市内89園のうち86園の保護者会から、方針撤回と説明を求める要望書が提出されています。このことを市はどう受け止めておられるのか。現時点で保護者の理解は得られていると思っているのか答えてください。

(子ども未来局長)
 公立保育園89園中86園の保護者会等から提出された要望書については、重く受け止めています。そのため、現在取りまとめている「保育園のあり方について」を策定するに当たり、幅広く有識者や保護者・市民の意見を聴くため、広島市社会福祉審議会児童福祉専門分科会に学識経験者や保育関係者、保育園保護者などで構成する「保育園のあり方検討委員会」を設置し、保育園の現状と課題や公立保育園の運営のあり方などについて、平成19年(2007年)11月から5回にわたり議論をいただきました。

 また、「保育園のあり方について」の中間とりまとめを公表し、幅広く保護者や市民の意見を聴くとともに、中間とりまとめの概要版と「保護者の意見を聴く会」のお知らせを公・私立保育園の全保護者に保育園を通じて個別配布したうえで、6回の「保護者の意見を聴く会」を開催しました。
 これらの市民や保護者の意見の多くは民間移管に反対する趣旨のものであり、中でも、保育の質の低下や子どもへの影響に対する不安や懸念を示す意見が多く寄せられましたが、いただいた意見の数や「保護者の意見を聴く会」の参加者数を考慮すると、大多数の保護者や市民の方が反対しているということにはならないと受けとめています。

 今後とも、保護者の皆様に十分な情報提供を行いながら、保育園の民間移管に対する不安や懸念の解消に努めていきたいと考えています。

A法の精神に照らしても、「保育園の選択権」をもっている全ての公立保育園の保護者に市が直接出向いて、説明会を開き、理解を得る努力するのが最低限の義務です。その努力を怠り市の方針を決定するのは、あまりに乱暴で正常なやり方とは思えません。
 市の方針決定を白紙に戻し、全園での保護者説明会を開くべきです。その意思があるのかどうか答えてください。

(子ども未来局長)
 民間移管の方針を白紙に戻し、全園で保護者説明会を開く意思はないのかとの質問ですが、先ほど市長が答弁しましたように、今後より良い保育サービスを提供していくためには公立保育園の民間移管を実施することが必要であると考えており、民間移管の方針を白紙撤回することは考えていません。

 また、民間移管についてより多くの保護者に御理解をいただくために、引き続き十分な情報提供を行うことは必要であると考えており、今後、保護者向けに民間移管についての「Q&A」や「保育園のあり方について」のわかりやすい概要版を個別配布するなど、より一層の情報提供に努めたいと考えています。これにより、民間移管の必要性などについて保護者に理解していただくことは可能ではないかと考えていますので、全保育園で保護者説明会を開催することは考えていません。

B3年前に「保護者の理解」を含む3つの条件が整った園から、順次移管するという方針を出されましたが、これは当時「1つひとつの園の保護者に説明し、理解を得られた園からやっていく」というように誰もが思っていました。それが、いつの間にか「まず対象園を決めて、そこの保護者の理解を得る」というようにすり替えられています。これは多くの保護者をペテンにかけるやり方ではありませんか。答えてください。
 100歩譲って、公立保育園の廃止・民間移管について、対象園の保護者の合意が得られなければ、その園の民間移管はやめるざるを得ないと考えますが。いかがですか。

(子ども未来局長)
 民間移管の条件である「保護者の理解」についてですが、保護者の理解を得るためには、まず「保育園のあり方について」を策定し、本市としてどのような保育を実施していくのかといった将来像を示すことが先決であり、そのうえで、民間移管を実施する保育園の保護者に個別に説明を行うのが順序であると考えています。民間移管実施園の決定後は、当該保育園の保護者に十分な説明を行い、民間移管の実施に御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えています。

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私立保育園について

 公立保育園の保護者が、なぜ一方的な民間移管に反対するのか。それは、どの保護者も様々な労を経たうえで公立の保育園を選んだからです。その選択を一方的に、乱暴に変えさせる事に保護者の反発があるのは当然です。
 市は「公立も私立も同じ法律に基づいて設置され、市が責任を持って同じ保育を行っているから全く心配ない」と繰り返すばかりです。しかし、それだけで納得できる保護者はおそらくいないでしょう。はっきり言ってこれまで市は、移管する私立保育園の実態について情報を提供し、理解をしてもらう努力を全くしてこなかった。
 おたずねしますが、市は、私立保育園にも監査を行っていますが、私立の保育内容、運営を市民に対して公表できていますか。

(子ども未来局長)
 保育園などの児童福祉施設については、児童福祉法等の規定に基づき、厚生労働大臣が定める設備及び運営に関する最低基準を遵守しているかどうかを、毎年1回、実地に検査しています。
 この検査の結果については、市民の皆様が安心して福祉サービスを選択することができ、また、社会福祉法人などの経営の透明性を確保する趣旨から、市のホームページにおいて、平成15年度(2003年度)から結果の概要を公表し、平成18年度(2006年度)からは、個別の施設の運営者や名称、施設ごとの指摘事項とその具体的な内容及び改善状況について公表しています。

 例えば保護者の不安で1番大きいのは、若い保育士が多くて経験不足を補う体制がないのではないかという、私立保育園の保育士の勤続年数の短さについてです。
 こうした親の不安に市はどれだけ答えてきましたか。「経験も大事だが、若さと情熱も大切だ」というばかりでは、親が納得できるわけがありません。

 よく「保育の質」とは何かということが言われます。子どもたちは1人ひとり全部違います。同じ子どもはいません。その1人ひとり違う子どもたちの特性をよく見極め、人間としての感情が育つ0歳から就学前までの、それぞれの成長・発達の度合いに応じて一番適切な保育が行われているかどうか。
 そのためには、保育士が安心して保育にかかわれる労働条件が保障されていること。そして、ひとつの園に若い保育士、中堅・ベテランの保育士がバランスよく配置されている等の環境がちゃんと保障されているかどうかということではないでしょうか。保護者はこの点を先ず考えて保育園を選ぶのです。

 5月の厚生委員会で「公立と私立で保育士の勤続年数が(公立では)20年2ヶ月と(私立では)4年10カ月と、4倍以上も差があるのは重要だ。私立では長く働き続けられる条件がないということではないか」という指摘に、担当課長は「公立は公務員なので長く勤める。その結果として長くなっている。『保育の質』の最大の要素は、保育士が子どもとの信頼関係をいかに構築するかということ。それには、若くてむしろ保育への情熱や取り組みが大きな要素である。」と答えています。

 しかし勤続年数4年10カ月と言えば、5年経ったら半分の保育士が入れ替わっているということです。学校を出て保育に若い情熱を燃やして入ってきた若い保育士が、5年ともたずに次々に辞めている。立派な保育士に育ってもらわなければならない、そういう若い保育士がなぜそんなにたくさん辞めていくのか。
 情熱が大切といいますが、情熱を燃やそうにも10年以上働いても年収200万そこそこの低賃金で、長く働き続けられる条件がありません。これが私立保育園が抱えている、共通の悩みではないのでしょうか。

 「保育の質」を言う前に先ず、私立でも保育士が安心して働き続けられる、情熱が燃やせるような労働条件と職場環境をつくることが、市のやるべきことではないですか。なぜ、私立の保育士が平均勤続年数が4年10ヵ月と短いのか。そして市は、その実態をどう改善していこうと考えているのか、答えてください。

 私立保育園の実態について、これまで必要な情報を開示しようとしてこなかった市の姿勢は、問題有りといわなくてはなりません。
 たとえばわが党市議団が、公立・私立の運営費を比較する上でどうしても必要な保育士の年齢分布ごとの平均勤続年数、正規・非正規の職員数の資料請求に対して「民間保育園の協力を得るのが難しい」という理由で、未だに情報開示しようとしません。しかし、児童福祉法及び関係通達では全ての保育園に「情報提供義務」を課しています。公・私を問わず保育園は、情報を開示することが義務とされ、保護者はこれらの情報を見ながら保育園を選択するわけです。

 今、公立の保護者が1番不安に思っているのは、自分たちの子供を預けなくてはならなくなるかもしれない私立の保育現場の環境や運営が、未だかつて明らかにされた事がないことです。民営化された関東のある保育園では、「企業秘密」だといって保育現場や園内に保護者は勿論、自治体職員も立ち入らせないと言います。こうした閉鎖的な社会に、我が子を安心して託せるでしょうか。
 是非、必要な情報を保護者に開示していただきたいが、その考えはないのかお答えください。

(子ども未来局長)
 児童福祉法では、市町村は、保護者の保育園の選択及び保育園の適正な運営の確保のため、その区域内の保育園について情報の提供を行わなければならないとされ、その提供すべき情報は同法及び同法施行規則に定められています。
 このため、本市のホームページや財団法人こども未来財団のホームページ「i−子育てネット」を利用して、市内の公立・私立保育園の定員、入園状況、開園時間、保育方針など情報の提供を行っています。

 ご指摘の私立保育園の正規と非正規の保育士の割合及びそれぞれの平均賃金については、法令に定める情報には含まれていないため提供は行っていません。
 今後、これらの情報の収集・提供については、各私立保育園と協議していきたいと考えてします。

 最後に、公立であろうと私立であろうと、同じ市民の子供を預かる保育園として、同じ水準の保育が保証されなければならないのは、いうまでもありません。ところが「保育の質」を決定づける重要な要素である保育士の待遇という点で、これまで述べたように厳然たる格差があるのは事実です。
 わが党市議団は、広島の保育水準をどう高めるかという点で、いくつかの私立保育園と胸襟をひらいて懇談しましたが、そこで共通して出されたのは私立保育園の運営費に対して、国や市はもっと支援をしてほしという声でした。

 「国の基準費だけでは、いくら頑張っても保育士に安定した賃金を保証してあげられない。以前は、保育士1人当たり月3万3000円の職務奨励費が市から出ていた。本当に助かったがこれも削られ、保育士の人件費に当てられる財源は本当に苦しい。それにもかかわらず、市からは無理ばかり言ってくる。」、こうした私立の経営の厳しさは、市は良く知っているはずです。どうして、もっと財政的な支援をしてやらないのですか。

(子ども未来局長)
 私立保育園において、人材を安定的に確保していくことが課題となっていることは認識しており、職員の処遇向上が必要であると考えています。
 これまでも、民間社会福祉施設職員給与改善費補助金の支給など市独自の助成を実施していますが、より一層の支援が必要であるため、現在、取りまとめている「保育園のあり方について」の中で、今後の保育施策の方向の一つとして、「私立保育園の運営体制の充実・強化」を掲げています。
 その具体的内容については、私立保育園の運営実態を把握し、今後検討していきたいと考えています。

 「私立は、少ない予算でもちゃんとやっている。だから公立を民営化したほうが安くつく。」という市のやり方は、私立で頑張っている人たちの善意と努力の上に胡坐をかくに等しい行政と言わねばなりません。広島のすべての子どもたちの保育に広島市として、責任を負うために私立への手厚い援助を行うべきです。
 市長はこの点についてどう思っておられるのか、公立と私立の違いとして法律にもない「役割分担論」まで持ち出し、ことさらに違いを強調するような姿勢をやめて、公立・私立のいいところを共に伸ばしてゆく、そのための必要な予算はしっかりと確保してゆくことこそ市長のやるべきことではないですか。

(市長)
 最初に保育園の民間移管について、私のほうから基本的な考え方を述べさせていただきます。
 保育園は、保育を必要とする乳幼児期の子どもが1日の大半を過ごす場であり、保護者に代わり子どもの健やかな成長を育む施設であるとともに、仕事と子育ての両立を支える子育て支援施設です。

 この保育園の果たすべき目的・役割は公立と私立とで違いはありません。保育の実施は、児童福祉法に基づき自治体に課せられた責務です。最も重要なことは、公私に関わらず、市内のすべての保育園で質の高い保育を子どもたちに提供する体制を整備することであり、そのために必要な予算は責任を持って確保しなければなりません。

 しかし、国の三位一体改革等により地方交付税や補助金の削減が行われる一方で、社会保障費など義務的経費が増加することにより、本市の財政は依然として厳しい状況にあります。そのため、今後とも国に対し、必要な財政措置を要望していくとともに、本市としても財源確保に努めるほか、できる限り事務事業の効率化を図る必要があります。このような行政運営効率化の取組は、本市のすべての分野において実施していく必要があり、保育園についても例外ではありません。

 そのため、行政運営効率化の1つの方法として、公立保育園を民間に移管し、優れた運営をしている社会福祉法人に保育園の運営を委ねるという方針を立てたものです。これは決して削減のための削減ではなく、民間移管により確保した財源を活用し、保育サービスをより一層充実することを目的としています。
 具体的には、保育園入園待機児童の解消のための保育園整備や延長保育・休日保育など多様な保育サービスの提供、すべての子育て家庭を対象とした支援の充実などを行っていきたいと考えております。

 最後に移管のプロセスにおいて、保護者の皆さまをはじめ、オープンなコミュニケーション、そして情報公開を強力に推進していく、大きな力を入れていくことを申し添えておきたいと思います。

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保育にかかる財源を今後どこから確保してゆくか

 これから保育に、ますますお金がかかることはよく分かります。待機児も解消しなければならないし、老朽化した園舎も建替えなくてはなりません。問題はその財源を確保するために、保育の質に関わる人件費を削っていいのかということです。
 「効率化」と言えば聞こえはいいですが、要は「安い人件費で子育てする」ことに市が一歩踏み出すことになります。そういう方向に対して、それで本当にいいのかが問われています。削ってはならないところを削る前に、もっと削るべきところがあるのではありませんか。

 わが党市議団の調査では、広島市の民生費は17政令市中、下から4番目と少ない。逆に投資的経費である土木費は、上から4番目に多い。同じく公立・私立の保育園に通う子ども1人当たりの市の負担額を比べてみても、広島市は政令市の中で下から4番目という低さです。
 市民の税金の配分はどうあるべきかを考えた場合、市民のくらしや福祉に欠かせない民生費など義務的経費の確保を最優先し、その上で投資的経費を考えるべきではありませんか。

(財政局長)
 議員御指摘のとおり、市民のくらしや福祉に直接関わる予算の確保は極めて重要であると認識しています。
 同時に本市にとっては、都市の活力と魅力の向上を図ることや、都市として地球環境問題に取り組むことなども重要であると考えています。
 厳しい財政状況の中ではありますが、これらのバランスをみながら、限られた財源を効率的に配分していきたいと考えています。

 財政が厳しいのであれば先ず、この投資的経費を削るのが「経費削減の順序」というものです。
 空港までの所要時間をたった7分間短縮する高速道路に、何百億という莫大な税金を投入する一方で、子どもたちの保育にかける予算は削減するというのは、市民から見て納得できるやり方ではありません。市長の見解を求めます。

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高速道路について

 これまで我が党市議団は、高速1号線および4号線の地盤沈下被害とそれに対する補償問題、災害の危険性がある高速5号線計画の無謀性等について指摘してきましたが、今度は高速3号線でも新たな問題が発生しました。

 去る4月28日、高速3号線出島〜吉島間の橋脚工事現場で、T字型橋脚の上部で型枠にコンクリートを注入する作業中に、型枠を支える「志保工」が崩落する事故が発生しました。幸い、上に十数人いた作業員は崩落直前に避難して無事でした。「志保工」も海に落下したため、けが人も出さずに済みましたが、なぜこのような事故が起こったのか、未だ原因は解明されていません。
 事故を報じたマスコミである大学の工学博士は、設計計算が正しかったのか、また設計通りに工事がされていたのか検証する必要があるとし、建設鋼材の高騰で、請負業者は単価が上がらなければどこかで穴埋めしなくてはならず、それが設計計算の改ざんにつながるのではないかとも指摘されていました。
 質問ですが、事故発生から2ヶ月経ちますが、原因解明の調査はどうなっているのですか。これまで施行している橋脚の強度等の再調査もすべきだと考えますが、いかがですか。

(道路交通局長)
 今回の事故は、橋脚本体をつくるための型枠とそれを支える志保工が、コンクリート注入時に落下し、まだ固まってないコンクリートも同時に落下したものです。

 広島高速道路公社では、事故発生後、速やかに事故調査委員会を立ち上げ、学識者の意見を聞きながら事故原因の究明を行っています。現在、設計計算や施工が適切であったかどうかなどについて調査を行っていますが、原因の特定には至っていません。
 公社からは、「今後、学識者の意見を踏まえた上で、できるだけ早い時期に原因を究明し、その結果を公表したい。」と聞いています。

 また、これまでに施工した橋脚の強度を再調査すべきとのご指摘ですが、橋脚などの鉄筋コンクリート構造物は、鉄筋の本数や配置が設計図どおり適切に施行されているか、必ずコンクリート打設前に確認することになっています。
 公社がこれまでに施工した橋脚についても、鉄筋の本数や配置などの確認を行っており、完成後の橋脚の強度については問題はないと考えています。

 次に高速1号線では、これまでトンネルから傾斜角45度の影響範囲外とされていた馬木7丁目の民家周辺でも、新たな地盤沈下や異常出水が起こっています。市は、これら新たな異変をつかんでおられるのか。早急に調査分析し、住民への説明をするべきだがどうされるのか答えてください。

(道路交通局長)
 去る6月5日に、馬木7丁目の住民の方々から、水田の石垣から水が噴き出していたが地盤の沈下はまだ続いているのではないか、という話が公社に対してあったと聞いています。
 公社においては、昨年7月から、馬木7丁目を含む22箇所の測点で、継続して地表面の高さを測定しており、全ての測点において新たな沈下は生じていないことを確認しています。
 公社では、今後も引き続き高さの測定を継続し、住民の方々にその結果を説明することにしています。

 次に高速5号線ですが、トンネル工事に伴う地下水位の低下によって二葉山全体で土石流の危険性が高まるということは、先の予算議会で指摘したところですが、その後の調査で隣接した尾長山でも、大量の土砂が砂防堰堤付近に堆積していることが判明し、その北側にある牛田東4丁目松風園団地も建設反対運動に立ち上がっています。
 これだけ多くの団地住民が次々反対の声を上げているのですから、高速5号線は、一刻も早く中止の決断をすべきです。
 質問ですが、トンネル工事を前提としない「調査・検討委員会」の設置について、県・市・公社の協議はどうなっているのか、地元住民との調整はどうなっているのか。答えてください。

(道路交通局長)
 本年2月の本会議において、公社では、高速5号線トンネル工事について学識経験者で構成する技術検討委員会の設置を検討している旨のご答弁をいたしました。
 その後、地元住民から、検討委員会は県・市の責任で設置し、住民代表や住民が推薦する学者・専門家を参加させること等を趣旨とした申し入れ書が、県・市・公社にそれぞれ提出されました。

 本市としては、住民が推薦する専門家なども参画した公平中立な委員会とし、公開の場で検討・審議を行う必要があると考えています。現在、こうした点などについて県や公社と協議調整を行っています。
 これらのことが、ある程度具体的になった段階で、住民代表の方々との調整の場を持ちたいと考えています。

 最後に、高速道路公社の姿勢について聞きます。
 馬木地域の「地盤沈下被害対策協議会」の「申し入れ書」の受け取り拒否や、補償交渉での対応など、公社の傲慢な態度に地元の不信感は拭えず、溝は深まるばかりです。
 1号線であれだけ大きな被害を出し、住民に苦痛を与えているにもかかわらず、公社の最高責任者が未だに被害住民に対して謝罪をしようとしないのは、社会的にも道義上も許されないことです。「誠意を持って対応する」というのであれば、まず理事長が被害住民に謝罪すべきです。「迷惑かけた相手に謝罪する」ことを知らないような理事長には、直ちに退陣していただく以外にないと思いますが、市の対応をお聞きします。

(道路交通局長)
 公社においては、昨年8月に開催した地元説明会の席で、担当部長がお詫びしており、公社としての謝罪の意思は既に表明したと考えています。
 しかし、議員ご指摘のように、公社の理事長が謝罪していないこと等に対し、不信感を持っている住民の方々もおられます。
 このような住民の方々の気持ちを真摯に受けとめ、より一層、誠心誠意対応するよう、公社に対して申し入れたいと考えています。

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後期高齢者医療制度と国保について

 6月4日、厚生労働省が発表した「7割程度の世帯で保険料が減少した」との調査結果に対して、全く実態を反映していないとの批判の声が全国であがっています。
 与党が保険料負担の見直しを検討せざるを得なくなっているのも、厚労省の調査が実態を反映していないことを、自ら認めているからにほかなりません。
 広島県民主医療機関連合会が5月1日〜31日まで行った窓口患者への影響調査によると、保険料が「高くなった」人は52%、年金天引きについては、58%の方が「困るのでやめてほしい」と答えています。

 後期高齢者医療制度は、医療費を抑制することを目的に国民を年齢で区別し、家族を分断し、負担増もさることながら予防・治療・リハビリ・終末期すべてにおいて75歳以上を差別するものであり、人間の尊厳を奪うものです。だからこそ多くの国民は怒りを爆発させているのです。参議院本会議で廃止法案が可決されたことは、まさにこの国民の声を反映したものです。与党が考えているような小手先の見直しではなく、75歳以上を差別するこの制度は一旦廃止をし、改めて国民的な議論で真に長寿を喜べる医療制度を作り上げる以外にありません。
 この後期高齢者医療制度との関連で2点お伺いします。

 1つは、この10月から65歳〜74歳の国保料まで、年金から天引きされようとしています。来年10月からは住民税も天引きされますが、人の年金から本人の了解も得ず、なんでもかんでも勝手に天引きするやり方は財産権の侵害であり、許されるものではありません。広島市で天引きの対象となるのは何人くらいか。市としては国保料の天引きは行うべきではないとおもいますが、どういうお考えですか。

(健康福祉局長)
 このたびの医療制度改革に伴い国民健康保険法が改正され、国民健康保険料の徴収方法として、新たに年金天引き(特別徴収)の方法が導入され、その実施が市町村に義務付けられています。

 年金天引きの対象者は、原則として、世帯内の加入者全員が65歳から74歳である世帯の世帯主で、年額18万円以上の年金を受給し、介護保険料と国民健康保険料の合計が年金受給額の2分の1以下の者とされています。
 この保険料の年金天引きは、被保険者の保険料納付に係る利便性を図ることと併せ、保険料収納の確保を図ることを目的として導入されたもので、本市においても、平成20年(2008年)10月から実施するよう準備を進めています。

 次に、年金天引きの対象世帯数につきましては、世帯内の加入者全員が65歳から74歳の約3万5000世帯のうち、世帯主が今年度中に75歳となる世帯、滞納がなく今後も確実な納付が見込まれる口座振替世帯、その他災害など特別な事情により年金天引きすることが著しく困難であると認められる世帯は、保険者の判断により天引き対象から除きますので、平成20年(2008年)5月末時点における対象世帯数は、約1万7000世帯と見込んでいます。

 2つ目は、国保会計から後期高齢者医療への支援金が減ったために、国保料を減額する自治体が増えています。札幌市は1世帯当たり7000円の引き下げ、京都市は低所得世帯、多人数世帯などの国保料を引き下げました。ところが、広島市では逆に引き上げています。なぜそうなるのですか。

(健康福祉局長)
 国民健康保険制度においては、医療給付費等の事業運営に必要な経費から国・県支出金等を除いた額を保険料として負担していただく仕組みになっています。
 国保会計における後期高齢者医療への支援金の額は、昨年度までの老人保健拠出金の額に比べて少なくなっており、これに伴い保険料の総額も減少していますが、一方で、75歳以上の加入者が後期高齢者医療制度へ移行し、保険料を負担する国保の被保険者数も減少しています。
 本市の試算では、平成19年度(2007年度)から平成20年度(2008年度)にかけての制度改正による保険料への影響額は、被保険者1人当たりで数百円の増加です。
 他の政令市の保険料は、本市を含めた9都市が増加し、8都市が減少しています。

 ご質問にありました札幌市は一般会計からの繰入金を増やして保険料を引き下げています。京都市は、賦課割合の見直しを行って被保険者均等割の賦課割合を引き下げたことで、低所得者世帯等の保険料が下がっています。
 いずれも制度改正による保険料の引き下げではありません。
 以上が制度改正にかかるものです。
 なお、本市としては、これ以上の一般会計からの繰り入れを行う財政的な余裕はなく、賦課割合の見直しを行う予定はありません。

 次に、本市の保険料算定の考え方は、被保険者の負担が急激に増加しないよう一般会計からの必要な繰り入れを行い、1人当たりの医療費の伸びの範囲内で保険料を引き上げることとしており、平成20年度(2008年度)の保険料は、前年度に比べ、1人当たり医療費の伸びに相当する約3000円(3.75%増)の増加となっています。

 また、被爆者の多くが後期医療に移動したことによる、被爆者にかかわる国の支援費の減額分はいくらですか。これまで広島市では、この原爆分にかかわる国の支援金があったため、国保への一般会計からの繰入額が他都市よりも少なくて済んできたことを考えると、今回の国の減額分は加入者に負担転化するのではなく、市の一般会計からの繰入金でまかなうのが筋ではありませんか。そのお考えはありませんか。

(健康福祉局長)
 本市の国保事業には、原爆被爆者に係る療養給付費等が多額であることを特別事情として、特別調整交付金が交付されています。
 平成20年度(2008年度)当初予算の被爆者に係る特別調整交付金の額は、約38億3203万円で、平成19年度(2007年度)に比べ、約29億5100万円(43.5%)の減となっています。

 この特別調整交付金が減額となったのは、75歳以上の被爆者が今年度から後期高齢者医療制度に移行し、交付金算定の基礎となる療養給付費等が減少するためであり、保険料の額には影響を与えていません。

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食料・農業問題と広島市農業の再生について

 地球温暖化問題エネルギー問題に加え、食糧問題もいまや人類の生存に関わる喫緊の課題となっています。
 6月にローマで開かれた「食糧安全保障サミット」では、投機マネーの横行、石油価格の高騰などによる世界的な穀物価格の高騰、地球温暖化による食物への深刻な影響などによって、世界的な食糧危機が進行していることが大きな議題となりました。

 穀物の高騰によって食事を1日1回に減らしたり、暴動が起こる国も出てきています。米や小麦の主要輸出国が自国民の食糧確保を最優先して、相次いで輸出禁止に踏み出しています。こうした世界的な食糧危機が叫ばれる中で、先進主要国の中で自給率がわずか39%と異常に低い日本の食糧農業政策が、大きな問題となっています。

 これまで、自国農業を徹底して痛めつけて、食べ物を外国から買い漁っている日本政府の姿勢に、国際的な批判が集まっています。日本共産党は、日本の農業が深刻な危機に直面している、これを何とかしなければならないという立場から、今年3月「日本農業再生プラン」を発表し農協、農業委員会を始め、多くの関係者の方々と懇談を進めています。
 この「農業再生プラン」は食料自給率の向上を真剣に目指し、安心して農業に励める農政への転換を呼びかけるもので、農業関係者だけでなく、幅広い国民から立場の違いを超えて、賛同の声をいただいています。

 さて、広島市でもこの10年間に耕作放棄地が1.6倍に増え、販売農家数は約2分の1の2451戸に激減しています。農業従事者数も43%減少し、カロリー単位の自給率はわずか3%と深刻です。こうした中で広島市では「115万人の地産地消プラン」を作成し、農業振興センターを中心に担い手育成や研修、耕作放棄地対策、環境にやさしい農業、ひろしまそだちの普及、直売所の拡大など地産地消推進事業を進めて、地道な成果をあげています。

 我が党市議団は先月、農業振興センターを訪ねて、広島市の農業への取り組みを聞かせてもらいましたが、職員の皆さん方の熱意に改めて敬服しました。
 また、「115万人の地産地消の実現」という市の農業ビジョンは、全て職員が手作りで練り上げたということを聞き、本当に感動しました。
 そこで、消費者が生産者の身近にいる都市農業の特性を、今後さらに生かした取り組みを期待するものですが、その点でいくつかの提案をさせていただきたいと思います。

 1つは、市が率先して学校給食をはじめ公の施設での給食に”ひろしま育ち”や、近郊の農産物をもっと積極的に使用することを、市の重点施策の1つとして取り組むべきだと思いますが、いかがですか。

(経済局長)
 地産地消を推進していくことは、市民の健康で安心な食の推進だけでなくフードマイレージの減少による環境負荷の低減につながることから、本市では、市内農家及び(財)広島市農林水産振興センターと一体となって、「ひろしま朝市」を始めとする直売の推進や”ひろしまそだち”のPRを行うなど、地場農産物の使用拡大に積極的に取り組んでいます。

 現在、本市における公の施設の給食は、病院及び保育園では、仕様書で原則として国産の農産物を指定し、栄養士等が出来るだけ地場産を使用するよう指導しています。
 今後さらに、学校以外の公の施設においても地場農産物の利用が拡大するよう、関係部局へ地場農産物の品目ごとの生産量や旬の出荷時期などのきめ細かな情報を提供し、より一層の利用促進に向けた働きかけを行います。

 またこれからの日本を担う子どもたちが、日本の主食である「米の大切さ」を学ぶとともに、本来の「ご飯の美味しさ」を知るためにも、学校での米飯給食をもっと充実していただきたい。

(教育長)
 米飯給食は現在、週3回実施しておりますが、その回数増については、昨年度末に策定された広島市食育推進計画に盛り込まれている、和食の推進や地場産物の使用促進という観点から、価格の問題や業者の炊飯能力などの課題を整理しながら検討してまいりたいと考えています。

 例えば、同じ米を使っても炊き方によって味は全く変わってきます。「炊き立てのほかほかご飯は最高の贅沢」だと言われています。給食には地元の米や野菜を使い、食育として、給食の場を本当に大切にしていただきたい。

(教育長)
 地場産物を学校給食に更に取り入れるためには、使用量に見合った地場食材の確保が必要であり、そのためには使用可能な地場産物の種類、収穫時期、生産量等の情報収集を行うことが必要です。このため、経済局農林水産部、(財)広島市農林水産振興センター、(財)広島市学校給食会などの関係機関で構成する「学校における地場産物の活用推進連絡会議」を設置し、情報交換等を行っています。

 今年度は、毎月1回から2回「地場産物の日」を実施するとともに、自校調理校単独での独立献立の拡充実施や、新たに複数校を単位として実施するグループ献立が実施できるよう、生産団体等と協議しながら、地場産物の調達体制を検討することにしています。

 また、保育園の幼児の完全給食も行うべきだとおもいますが、どうお考えですか。

(子ども未来局長)
 私立保育園においては、園の特色の1つとして、一部の園で3歳以上児に主食を提供する完全給食を実施しています。
 公立保育園で実施するためには、調理・配膳等に係る人的配置や、炊飯に必要な設備を設置する必要がありますが、大半の保育園の調理室は手狭であり、スペースの確保のための調理室拡充に多額の経費を要すること、保育室の調理室への転用が必要となる場合には入園定員が減少することなどの課題があることから、慎重に対応する必要があるものと考えています。

 また、パン給食の日も大竹市などが行っている「米粉パン」をぜひ広島市でも取り入れたらいかがでしょうか。

(教育長)
 ご紹介のありました大竹市では、米の消費拡大の観点からの広島農政事務所の働きかけと地場産物の活用促進の観点から、(財)広島県学校給食会や広島県パン工業協同組合と連携を図りながら、本年1月から月1回程度、大竹市内産の米を用いた米粉パンを導入していると聞いています。

 米粉パンは水分を多く含んでおり、風味がよく、もちもちとした食感が特徴といわれていますが、反面、米粉と小麦粉の配合割合、製造工程及び設備の改善、価格等の課題があるため、本市教育委員会としては今後、パンの調達契約をしている(財)広島県学校給食会とも協議しながら研究してまいりたいと考えています。

 2つは、化学肥料に頼らない有機農業の推進に一層力を入れていただきたい。「有機農業推進法」も制定されましたが、有機農業に取り組む農家に対する支援をもっと強めるなど、市としてさらに力を入れていただきたいが、いかがですか。

(経済局長)
 平成18年(2006年)12月に施行された有機農業推進法では、「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことなどを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業と定義されています。

 本市では、平成18年(2006年)3月に策定した、「〜115万人の地産地消〜ひろしま市民の食を支える元気な農の実現」を基本理念とする「広島市食料・農業・農村ビジョン」の中で、「環境にやさしい農業の推進」を掲げて施策展開をしています。例えば、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に基づき、堆肥の利用促進と農薬等を低減する農家として認定されたエコファーマーは、平成18年度(2006年度)末には、2戸であったものが、現在、21戸に増加しています。
 また、平成19年度(2007年度)、本市独自に「環境にやさしい生産方法」を「ひろしまそだち栽培指針」として作成し、平成27年度(2015年度)には、この指針に基づき生産を行う農家をエコファーマーと合わせ、500戸以上にするよう努めて参ります。

 さらに、有機物資源の利活用の1つとして、街路樹の剪定枝堆肥を農家へ供給する事業を行っており、平成18年度(2006年度)に978トン供給していたものが、平成19年度(2007年度)には1079トンに増加し、その品質も向上したことから、野菜栽培農家から好評を得ています。
 今後とも、こうした取組みを積極的に推進します。

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--- 再質問(大要) -------------------
 たくさん答弁をいただきましたが、保育園の民営化について市長がおっしゃるように、この背景には、国の三位一体による自治体の財政的な締め付け、それともう1つは国自身がこういう流れを促進して、いろんなレールを今まで引いてきているんですね。

 その中で、自治体としてどうあるべきかということで、この3年間いろいろと検討されてきたんではないかと思うのですが、私が言いたいのは財政が厳しいというのはわかる。これは同じ認識だと思うんです。しかし、削っていいところと悪いところがあると、それで、子育てに関わる人件費を削っていいのかというのが、いま問われていると私言ったつもりなんです。

 市長の答弁では、それも含めて保育の分野も効率化が必要だということです。効率化の名前で、結局1園あたり4000万円差があり、その大半が人件費だということですから、人件費をやっぱり削減するということになるわけです。これ(効率化)が、これ(人件費削減)でもいいんだというお考えのように聞こえました。

 そうしましたら、今の私立保育園の保育士の実態を、市長はあまりにも知っていないんじゃないか、というふうに思います。これは、1回、2回私立保育園に行ってざっと見ただけではわかりません。私立保育園の保育士がどういう気持で、どういう労働条件のもとで頑張っているか。ここのところを、是非、リアルにつかんでいただきたいというのを、市長さんにはお願いしたいと思います。

 この場でいろいろ言うような材料は、私にもありますけれども、それは各園の問題で言うべきことではないと思いますが、たくさんいろんな実態があるということを、是非知っていただきたいと思います。それがひいては、子供たちにいろんな影響を与えています。。これも目に見えない部分が多いのですが、子育て、保育の質というのは大半(の場合)目に見えません。視察しただけじゃわからないんです。だけど、親の立場からしたら、よくわかる。ここのところを是非、認識を改めていただきたいというふうに言いたい。

 局長にお伺いするんですが、まず、市の将来像を示すことが先決だと、それから保護者に理解を得ると。これは当然だと思います。それでもいい。しかし、将来像を示すということイコール、市の方針として今もう決定されたんでしょ。この案を、今やっと市の方針として固めてですね、その案をもって保護者に説明するというのならわかりますよ。そうじゃなくて、市の方針はこれ(民間移管)で、(私立保育園に)変える、白紙にもどす考えはないと言うでしょ。それで今から保護者の理解を得るというのは、これは(順序が)逆じゃないですか。
 保護者を当事者扱いしていない証拠じゃないかと。そういうふうに思います。

(子ども未来局長)
 この保育園のあり方、これはもう決めたものとして説明するのか、ということでございますが、中間まとめの段階で市民意見をいただき、6回保護者の皆さんにご説明しまして、そのときにいただいた意見につきましては、その概要版というのをまとめさせていただきまして、意見に沿って、こういう考えですという我々のまとめたものを、あらためまして保護者の皆さんにお配りいたしております。

 それで、これまでに5回ほど委員会で意見を聴いてきたとおっしゃいましたが、それぞれの園の86の保護者会が、あれだけのお母さん方が集まって、自分たちの保育園のことについて、意見を述べました。そこに対して、まず説明に行くべきじゃないですか。わずか9人、うち保護者の代表2人と、これに5回も10回も意見を聴いたところで、これでは全保護者の意見を集約できないと思うんですよ。そういう点で、まず(民間移管の方針を)案として、今から出かけて行って、説明するというぐらいの気持ちでいいんじゃないですか。なにもそう頑なにならないで。私は、そう思います。

 それで、これはいろんなところで裁判になっています。ここの、保護者の選択権が侵害されたかどうかという分かれ目ですから、今からの市の対応に、非常に微妙だというふうに私は思いますがいかがでしょうか。

(子ども未来局長)
 中間まとめと最終まとめの間で、すべての公立保育園が移管されるんではないかという懸念をお持ちかということで、取組期間を2020年までとするということと、1年に2園程度を考えているということで、総量としては20園程度というふうに、わかっていただけるような修正もいたしております。
 さらに、移管の反対の大きな理由に保育の質が低下する。これが一番大きな理由で、いただいておりますが、それは社会福祉法人でも低下しません。保育の質は一緒です。私どもが責任をもってやります、というふうに申し上げておりまして、ここのところは、ご理解をいただきたいということでございます。ですから今後、該当園の保護者の皆さんには、必ず、全保護者の皆さんにご説明をいたします。

 それと、全園での説明会を考えていないということなんですが、いろんなパンフレットの宣伝物を出していくというふうに。それはまあ、いいことですが、全園での説明会をやってもいいんじゃないですか。手が足りないから出来ないのであれば、そう言ってください。やる意思がないからやらないのですか。どっちなんですか。
 それで、百歩譲って、市からそういう計画がたてられないのなら、それぞれの園の保護者会から、是非説明をと求められた場合には、ちゃんと出向いて行かれるつもりがありますか。

(子ども未来局長)
 保育園の方で保護者の方から質問がありましたことにつきましては、しかるべき方法でお答えできるようにしてまいりたい、というふうに考えております。

 最後に私立保育園について、やはり人件費が低いというのが課題だと認識されておりますね。それで、これを今後どうするかと(いうことですが)。
 これは財政的な問題も含めて、今後、検討するということですが、これは今後じゃだめだと思うんですよ。そのために市としてどうするかというのも、今、出さなければ、これは議論がかみ合いません。そこのところ、はっきりしてください。
 そうしないと、安心して委ねようということに、やっぱりならないと思うんですね。いくらここでいろいろ言っても、市長が、市が責任を持ちますとおっしゃいましたけれども、そのたびに、例えば、かつてあった職務奨励費的な人件費補助を、市として今後、考えるつもりがあるのかどうか。これをはっきり答弁していただきたい。考えがあるかどうかですよ。

(子ども未来局長)
 最後に、人件費、職務奨励費、かつて私立保育園に実施していたんですが、あのようなものをやる気があるのかということですが、いずれにしましても、私立保育園で人材が今後も確保できるような手立ては必要だということで、このあり方の中でもその旨をしたためております。前向きに、その支援ができるような内容については、早急に検討したいというふうに考えております。

 もう、質問はしません。また委員会もありますので、やらせてもらいますが、いずれにしても、裁量権の逸脱、乱用、この範囲を超えているんじゃないかというふうに私どもは思われてしかたないんですね。そうでないと、あれだけ保護者の皆さんが、いまだに納得できないということで、いろんな運動されるはずがないんで。そこのところは、今後問題になると思います。
 それと、ごめんなさい。1つだけ、局長答えてください。各園からですね、百歩譲って要請があれば、市として説明に行かれるつもりはありますか。これだけをお答えください。

(子ども未来局長)
 できるだけ、そういったご質問にはお答えできるようにしたいと思っております。出向いて行けるかどうかは別といたしまして、前向きに。

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--- 再質問(大要) -------------------
 国保の問題ですが、広島市は一般会計からの繰り入れする余裕はありませんとおっしゃいましたが、一方で国からおりてくるお金が29億円減ったわけですね。それは保険料には影響しないかもしませんが、国保会計全体には影響してます。これに相当するお金というのは、本来広島市の一般会計から手当てするのが、当然ではないですか。そしてやっと他都市と横並びになれるわけです。そういう点で、保険料の軽減というのは何らかの形で出来るのではないかと思うのですが、その点で今後の検討をお願いしておきたい。

 高速道路は、いろいろとおっしゃいましたが、部長が頭を下げたから(終わり)ということには、ならないでしょう。やっぱり最高責任者がですね、ちゃんと皆さんのところに出向いて謝罪するなり、何らかの責任のある発言がこの間1回もないわけですから、これはきちっと申し入れをしていただきたい。

 3号線の落下の問題は、落ちたところは問題たが、落ちなかったところは問題ないというふうに聞こえました。落ちたところは、落ちなかったところと同じやり方で、工事をやったわけでしょ。そして、そのうちの1つが落ちた。そしたら、他の所も大丈夫かというので、点検するのが当然だと思うのですが、この点はいかがですか。

(道路交通局長)
 3号線の落ちた中での出来上がった構造物が、確かなものかどうかでございますが、先ほどご説明しました3号線の橋脚の落ちたものは、本体工事ではなくて、本体工事を支える型枠とか、志保工とか、そういう仮設構造物でございます。
 この仮設構造物は、工事契約約款によりますと「請負業者が責任をもって施工を行う」ということになっておりますから、公社としての責任としてそれを検査してはおりません。

 ただ、仮設構造物の中にある鉄筋コンクリートの構造物、これは本体工事でございますから、コンクリートを打つ前の本当の鉄筋が、設計図どおりその大きさが何本いくら入っているかというようなことは必ず確認をしておりますから、それでもってコンクリートを打ってますからそれは大丈夫というふうになっております。

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